レンジャーロープへの思い3(端末のカット方法)

ロープの切断方法は色々ありますが、アカジカでは熱処理とカットを同時に行う方法でカットしています。

通常はカット部分にビニールテープ(絶縁テープ)を巻いて

①ロープカッターなどの器具を用いてカットするか、

②刃物でカットして瞬間接着剤で切り口を固め端末処理する

のが一般的な切断方法だと思います。

①の方法では、熱処理をしながらロープをカットするので、カット面から先により戻りは発生しづらいのですが、ロープカッターの刃の温度の状態で温度が低ければきれいに切れず切り口が変形し広がったり、温度が高過ぎれば切り口が焦げ変色したり、と調整にコツと時間が必要になります。
また、刃の状態(消耗や磨耗)によっても切り口の仕上がり具合が変わってしまいます。

 

そこで②の方法が使われるようになり、端末処理の方法として救助技術教本にもうたわれ、大会の要綱にも採用されるようになったと聞きました。(瞬間接着剤がない場合はどうするのでしょうね?また、踏み付けなどの外力に対する弱さも懸念されます。)
切り口自体が広がったり変形したりするリスクが減り、端末も滑らかで結索の引っかかりも少なく感じるので、結索のスピードを競う競技では、多くの方が使っている端末処理方法になっているようです。

しかし、この方法ではビニールテープでカット部分を巻いているので三つ打ちのストランドはばらけていきませんが、ロープにはストランドを構成するヤーンにも撚りをかけて作っているので、ただカットするだけでは、ロープの撚り戻りを止めていないことになります。
カットした時点で、ロープがなんとなく柔らかくなったと感じるとすれば、そのためだと思います。
ロープを構成している撚りが微細に戻っていると仮定すれば、計測した時の長さとカットしたときの長さ、そして少し使用した後の長さには大きな変化が生まれてしまいます。

アカジカでは、長年ロープをカット販売する中で、カット時における様々な問題を克服しながら現在のカット方法にたどり着いています。

 

端末精巧処理

独自に開発した熱処理をしながらロープをカットする方法とカット断面の滑らかな処理には特にこだわっており、簡易処理と精巧処理の二段構えで端末処理の選択肢を設定しています。

端末簡易処理

アカジカの簡易処理は簡易処理にあらず。