切れ味の良いアカジカのロープとは①

アカジカが言う切れ味のいいロープとは、

①まず、ロープカットの段階で、そのロープ本来の硬さがキープできているということ。

皆様は、長巻のロープをカットする際にどのようにしていますか?

消防救助技術必携という本にあるロープの切断方法の記述には、

ア 切断箇所にビニールテープを巻く。

イ 切断する。

ウ 切断口を加熱して溶融させ、フィラメントを固める。または、瞬間接着剤によりフィラメントを固める。

とあります。間違いではないと思います。でも、もっとロープを思うならば・・・アカジカは少し違います。

切断面にビニールテープを巻き、熱加えながら切断します。

切断と溶融を一緒に行っておりますが、電熱のロープカッターは切れ味が鈍く当店では使用しておりません。

熱を加えないまま切断するとビニールテープの巻加減、切断時の速度、力のかけ方などの個別差によっては、三つ打ちの撚りが緩んだり、緩んだおかげで風合いが変わったりとせっかくのロープが台無しになりかねません。

また、切断面を後から溶融させると、両端の切断面の形を揃えるのが難しくなる場合もあります。

そこで、切断面の形をそのまま利用できる瞬間接着剤を使用してフィラメントを固める方もいます。

瞬間接着剤で端末を固めたとしても、浸透確認の不確実性と浸透の限度があり、不意の踏みつけや叩きつけなどによって端末が割れてしまったりするリスクもあると思います。

結索時の引っ掛かりに配慮して丁寧に処理した端末は、ヌケがよく踏みつけにも強い優れものです。

正に切れ味の良いロープと言える所以がこの端末処理なのです。