救助技術のパフォーマンスを高めるために着眼すべきこと
大阪阿倍野~南河内を中心にアスリートの結果を確実に出すパーソナルトレーナーとして活動中のYAMATOさんからメッセージをいただきました。
YAMATOさんは、『勝ちきる為のメンタルトレーニング』と『トップアスリートが行うフィジカルトレーニング(12段階)』をご自身の指導の中に導入し、成果を上げていらっしゃいます。
YAMATOさんについては、以前も当ブログで(2016.8.5 :「想い」だけでは達成できない「救助全国一」にかける行動)ご紹介していますが、
今回、クライアントさんである救助隊員の方とのご縁で、第45回 全国消防救助技術大会の会場に出向き、大会の様子を実際にご覧になったそうです。
YAMATOさんのブログには大会の様子や今後の目標、意気込みなどについてレポートされています。(『2016年全国消防救助技術大会 応用登はん日本一決定戦』in愛媛県松山市)
そのブログを拝見したところ、その着眼点の鋭さに、救助隊員の方も学ぶべきことが沢山あるように感じましたのでご紹介します。
1 細かな分析をしていること。
優勝タイムは何秒で、そのタイムにはミスの加算時間があったか?(早い時間だけに目を向けず、要素を確認している。)
2 スタートまでの所作にも制約があることを確認し感じ取っている。(タイムや精神的なものにどのように影響するのか感じ取ろうとしている。)
3 訓練の動作を細かく分析し、ゴールから成果を見つめている(救助隊の方も部分ごとにタイムなどを測り、どの部分がタイムに影響するのかを見極めているが、自分がなりたい姿から現状方向に分析する方は少ないのでは?)
何メートル跳躍したら何秒になるではなく、何秒になるには何メートル跳躍が必要だと考えるようなところは、見習うべき思考だと思います。
前者→現状のタイムを詰めたいから、もっと跳躍の高さを出さなければならない→ひたすら跳躍のタイミングやロープの掴み方、土台のスタイル変更を変えてタイムアップを狙う。
後者→全国のトップタイムを取るには8秒前半を出さなければならない→そのためには2.7~3mの跳躍が必要だ→そのために必要なものは何→まずは個人の運動能力をどうする→最大の跳躍力を得られる土台の形をどうする→出た跳躍距離を確実に次に伝える握りはどうする→足の絡め方の改善→土台側の一番最初にロープを引くタイミングをどうする→チームの呼吸のすり合わせ→次は登りをどうする・・・
前者は、見えない先の姿を求め、闇雲に努力を重ねるタイプ。頑張る割には成果が上がらない。
後者は、目指す自分の姿を見据え、効率良く努力を重ねるタイプ。飛躍的な成果を感じドンドン、ドンドン繋がっていくタイプ。
将来(来季)有りたい自分自身の姿をイメージすれば、救助訓練の佳境を迎える前に何をすることが重要なのか理解でき、
大会向け救助訓練のオフシーズンとする消防本部さんもある季節においても、来春にかけて取り組む課題ができると思います。
この時期に根拠ある努力をどれくらい積み重ねたのか?それが、来季のタイムの差に現れるのは明白なのではないでしょうか?
何よりも感心するのは、ロープ結索やカラビナ操作のタイムアップを解析する、はしご登はんやブリッジ救出、ほふく救出などの訓練種目ではなく、応用登はんと言う結索試技のない種目に解析の要素をしっかりと見出しているYAMATOさんです。
私達アカジカも視野の広さ、着眼点の鋭さを見習い、救助する方と繋がっていく商品が提供できるよう、決意を新たにしました。