救助大会はじめの一歩「何を鍛えるのか」その3
3月には、署内予選が始まる消防本部の隊員さんからの注文が入り始めました。ありがとうございます。
日々訓練に向かう熱き皆様の要望に出来る限り応えられるよう、誠心誠意、ロープの滑らかな端末処理に心を込め、無機質なアイテムたちの中に存在する可能性とパワーに愛を込めながら、ご注文のアイテムをお届けしています。
いつもアカジカブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、前回は、救助大会のエントリー種目として、基礎訓練のはしご登はんについて書きましたが、今回はもう一つの基礎訓練であるロープブリッジ渡過についてです。
「レンジャーの華(花形)はロープブリッジ渡過である」と言われて私は救助隊員として育てられました。
当時の指導者としての先輩方は、救助技術を習得するため、各消防本部から選抜され自衛隊(多賀城)に研修入隊して厳しい訓練を行なったと聞きました。
当時、私達隊員から鬼軍曹と呼ばれていた上司は、「人命救助のためなら、木綿糸の上をも渡ってみせる気持ちで向かえ!」と任務の尊さを解いたものでした。
前述のとおり、渡過はシンプルでありながら、隊員の筋力、俊敏性、柔軟性など基礎能力全てにおいて優れていなければ、全国のテッペンを獲るのは厳しい種目です。
短期間で成果を出せるのは、基礎能力が既に兼ね備わっているあなた!
もし、自分がその人間に値するのなら、迷わず進む道であると私は断言します。
もし、この種目で未熟な自分を鍛え上げ、救助の花形を目指すのならば、ゴール地点である都道府県代表に成るまでの期間をきめて望むのが画策です。
例えば3年計画で1年目はとにかく体力増進、インナーマッスルと柔軟性の強化、2年目はスタイルの確定(セーラー、モンキー、ターンの形と技術向上)、3年目に集大成として、無駄の発見、繋ぎの強化、さらに全体の見直しをする。
といった形で競技に向かうのがBESTなのかなと考えます。
一年ずつ課題は違いますが、全て加算で強化していくことをお忘れなく。
他の種目とは違い、極端に言うと、「体一つの勝負」なので、力が伝わる部分の選択肢(グローブ・シューズ)が鍵になる場合もあるので、頭の中に置いておきましょう。
また、自確のロープの長さや硬さを意外に適当に考えている場合が多いと思うのですが、経験者は口には出さないものの、ターン時の絡みを経験していれば、硬さや長さについて、体格やスタイルへのベストマッチを追求されている方も少なくないことを覚えておいてください。
ここで自らを鍛えるために渡過を選択し、鍛え抜けば、例え全国のテッペンに手が届かなくとも、将来、連携訓練の要としてチームからオファーが届くのは、限りなく間違いないこと。
救助隊員として大きな財産を手に入れたと等しい経験となります。
さぁて、あなたはどの種目に進む?
次回ブログは、連携訓練に進んでいきます。