救助大会はじめの一歩「何を鍛えるのか」その5

救助大会はじめの一歩

「何を鍛えるのか」も5つ目の種目に入ります。

今回の種目は、連携訓練の中の「ほふく救出」です。

ダクト内で発生した、若しくはダクトの先に残された要救助者をダクトを伝い進入し、検索確保し、ダクトを伝い退出、屋外に救出した後、安全な場所まで搬送するまでのタイムを競うというものです。

3人1組で行う種目で、1番員が呼吸器を着装して救出に向かう役割、2番員が進入者に安全確保用兼合図伝達用の確保ロープを結着し屋外で安全確保する役割、そして3番員が要救助者役となります。

標準タイムは、62秒。
・・・ではありますが、最近30秒台前半を叩き出すチームも出ているようなので、全国に向かうには40秒台前半をコンスタントに出せるかどうかが目標となるでしょう。

タイムを叩き出すには、どれくらい無駄を省くかがポイントだと私は考えます。

この種目は、入り(進入準備)、進入、縛着、退出、撤収、搬送のパートで構成(※チームによってパートの分け方が異なります)されていて、大概のチームは、パートごとの所要タイムを短縮できるように訓練を重ねていきます。

しかし、所要タイム短縮は、足巻き、要求縛着などの結索の速さ、煙道(ダクトの想定)内の移動スピード、結索解絡の速さ、これらを短縮するために自らを鍛えて精度を上げるのは言うまでもありませんが、各パート間のつなぎ目のタイムロス(無駄)に着目しなければ、ある程度のところまで行っても、そこから先の劇的な改善は望めません。これは、他の種目においても同じことが言えます。

例えば、誘導ロープにもやいを作り足巻きロープと一緒にカラビナをかける時、作業台から足巻きに移る時にロープを着地させるタイミング、1番員の要救縛着から振り向き誘導ロープを触るまでの所作とロープの位置どりをどのタイミングで準備しておくか・・・などなど

 

そんなの一瞬でタイム計測するまでもないと感じるが、結局そんな僅かなタイムロスの「チリつも」が最後にストップウォッチの数字として目の前に現れるのです。

細かいノウハウは、後に書くとして、タイム記録表をどこまで分解して記録するか、ほふく救出にエントリーしようと考えている方は、まずそこから作戦を練ってみては。

 

次回ブログは、ロープブリッジ救出についてです。

種目ごとの詳細の情報も併せて書いていきます。